ポーランドの古都クラクフ観光
ポーランドの南部の街「クラクフ」は、かつて500年以上に渡ってポーランド王国の都であった古都。戦時中に奇跡的に被害を受けなかったので、歴史的な街並みがそのまま残されており、ただ「凄い!」という言葉しか出てこないほど、圧倒的な存在感のある町でした。クラクフの旧市街は、まるでタイムスリップしたかのような不思議な気分にさせてくれます。
ポーランドの主な観光地では英語が通じることもありますが、一歩街を離れるとポーランド語しか通じなくなるローカルな雰囲気も刺激的でしたよ!
EUに属しているポーランドは「シェンゲン協定加盟国」なので、近隣のヨーロッパの国々からビザや入国審査なしで気軽に訪れることができます。
通貨はユーロを採用していません。「ズウォティ(zloty)」という、なかなか覚えにくい名称の通貨です。ポーランド旅行中に訪れた「クラクフ」は、治安も良いうえに物価が非常に安く、グルメも美味しいので女子旅におすすめしたい観光スポット!
今回は、いずれも世界遺産に登録されているポーランドクラクフの観光スポット「クラクフ旧市街」とクラクフ近郊の「ヴィエリチカ岩塩坑」を訪ねて、その美しさや歴史の古さに感動を覚えたポーランド旅行記の一部をお届けします!
世界遺産のクラクフ旧市街
ポーランドというと首都の「ワルシャワ」が有名です。ワルシャワは、日本の「東京」。「クラクフ」は「京都」とよく例えられています。クラクフ旧市街は、徒歩で観光することが可能ですよ。
クラクフ本駅から徒歩すぐの距離にある「クラクフ旧市街」は、入り口の門からして長い歴史を感じました。「フロリアンスカ門」は、14世紀頃に建てられた街を守る城壁です。
すぐ近くにある円形の「バルバカン」は、ヨーロッパでもあまり残っていない珍しい形の要塞で、絵本の世界に登場するお城の入り口みたいで可愛らしかったです。門を抜けて、世界文化遺産に登録されている「旧市街エリア」に足を踏み入れると、歴史的な建造物が建ち並んでいます。
中央市場広場の前にある「聖マリア教会」は、2つの高い塔を持つゴシック様式で、一見、ヨーロッパでよく見かけるタイプの教会だと思いきや、内部は今までに見たことが無い別世界が広がっていました。
教会の天井にはカラフルな装飾が施され、かなりリアルな彫刻が飾られていました。なかなか出会うことができない、鳥肌が立つほど神秘的で美しい場所です。
聖マリア教会の塔の上からは一時間に一回ラッパの音が聞こえてきて、途中でパタリを止んだので不思議に思っていたのですが、その背景には悲しい歴史がありました。
かつてモンゴル軍が攻めてきたときに、矢に射られた敵襲を知らせるラッパ吹いている途中で命を落としたラッパ吹きを追悼するためであり、中世から現在まで続いているのだと知り、「やっぱり、クラクフの歴史って凄いな…」と驚きました。
個性的な複合建築を持つヴァヴェル城
クラクフのシンボル的存在の「ヴァヴェル城」は、ゴシックルネサンス様式の美しい建物で敷地内は無料で入場できました。大聖堂や王宮などの建物が集まる複合的な建築物なので、かなり見応えがあります。
何度も増改築が繰り返されて現在の形になった大聖堂は、よく見ると丸いドーム型の屋根と塔の両方を持ち合わせている変わった形をしていました。
塩の芸術が凄すぎる!ヴィエリチカ岩塩坑
クラクフ市内から15キロほど離れたヴィエリチカ岩塩坑は、ユネスコの世界遺産に登録されている「世界最古の岩塩坑」は、かつて大勢の人が塩を取り出すために昼夜働いていたところです。
地下64メートルから325メートルの所にある洞窟までは、徒歩で長い階段を下っていきます。ちょっとした冒険気分を味わえましたよ。
洞窟を進んでいった先には、「塩の採掘場」や「抗夫達の教会」、採掘の作業工程やヴェリチカの伝説を表現した「塩の像」などがありました。
すべて塩でできているとは思えないほど、リアルな塩の像の完成度の高さには驚きました。また、「塩の像」で描かれている「キンガ姫の物語」は興味深かったです。
ハンガリーに生まれたキンガ姫は、ポーランド王との政略結婚を受け入れたくないために婚約指輪を泉に捨てます。のちにポーランドに嫁いだキンガ姫は、何故か気になったヴェリチカの土を掘るように命じると、当時、一大資源であった塩と捨てたはずの指輪が出てきて、ギンガ姫が人々の崇拝の対象になったという伝説があるのです。
ヴィエリチカ岩塩坑の中で特に凄かったのは、すべて塩でできた「ギンガ礼拝堂」です。シャンデリアや祭壇などもすべて塩!凄すぎて言葉を失ってしまいます。次の写真を見て、地面も壁もシャンデリアも全部「塩」だなんて信じられますか?
一日中、薄暗い空間で長時間の労働を強いられ、肉体的にも精神的にもハードな採掘場で働く抗夫達の心の支えは信仰であり、熱心に教会で祈りを捧げたといわれています。
私がツアーに参加したのは三月下旬ですが、日中でも薄手のダウンが必要なくらい内部は冷え込んでいたので、当時、どれだけ過酷な状況だったのか考えずにはいられませんでした。
ヴィエリチカ岩塩坑の内部に入れるのは「見学ツアー参加者のみ」です。私が参加したツアーのガイドさんは、英語とポーランド語を話す人だったのですが、2つだけ知っている日本語が「コンニチワ」と「ゼンブ、シオ デ デキテイマス」。確かに、「全部、塩だよ」というワードだけでも岩塩抗の魅力は伝わってきて、「教えてあげよう」というガイドさんの心遣いが嬉しかったです。
クラクフでの観光は満足度が高かった
今回はポーランドの古都クラクフの旧市街と、近郊のヴェリチカ岩塩坑を訪ねました。クラクフは少しマイナーな街ではありますが、治安も良く見どころが多いので、ぜひおすすめしたい観光地です。塩の洞窟に絵本の世界のような旧市街。ぜひクラクフまで足を運んでみて下さいね。