バチカン市国の観光スポット巡り
フィレンツェ、ヴェネチア、ローマを巡るイタリア旅行中に、世界最小の国土面積で世界文化遺産にも登録されている「バチカン市国(Status Civitatis Vaticanae)」に行ってきました。なんとバチカン市国の総面積は東京ディズニーランドよりも狭いのです。
カトリックの大聖堂、博物館、教会などすべてが豪華絢爛で、「バチカン市国を訪れて良かった」と思える、素晴らしい景色や美術品や建造物との出会いばかりでした。
バチカン市国って?
学生の頃に歴史の授業でバチカン市国のことを勉強してから、「世界一小さな国って、どれくらい小さいのだろう?」という疑問をずっと持っており、「いつか行ってみたい」と思っていたのですが、やっと、今回のイタリア旅行中にバチカン市国を訪ねる夢が叶いました。
バチカン市国は独立国家で、イタリアの首都ローマの中心部から徒歩で行ける場所にあります。実際に行ってみたら、「国」というよりも「ローマの一角にある特別なエリア」といった表現がしっくりきました。
国全体が丸ごとユネスコ世界遺産に登録されているバチカン市国へは、パスポートチェックや入国審査などは一切なく、普通に徒歩で入国できます。国境といっても簡単な柵のようなものがあるだけでした。
バチカンはローマ教皇庁が管理する国で、いわばカトリックの総本山。世界中から観光客や熱心な信者や聖職者などが集まるエリアです。
観光スポットは行列があたりまえ!
バチカン市国のメインの観光スポットは、緑のドームを持つ「サンピエトロ大聖堂」、ラファエロの間で有名な「バチカン宮殿」、「バチカン美術館」「システィーナ礼拝堂」などがあります。
小さなエリアに世界中の観光客が訪れるため、どこも人混みだらけでギュウギュウ状態…。もはや、バチカンは「長蛇の列」それ自体が名物のような存在になっています。入場に2時間待ちは当たり前。
入国審査が無い代わりに厳重なセキュリティ体制が敷かれていて、空港のようなセキュリティーチェックを受けます。これが各スポットへの入場に時間が掛かる理由なのです。
飲食店でも有名レジャー施設でも、とにかく並ぶことが大嫌いなので、バチカンエリアに泊まって8時にサンピエトロ大聖堂のクーポラに行き、スムーズな入場に成功!10分程でセキュリティーチェックも完了です。
お隣の「バチカン美術館」の行列も物凄く、列に並んでいる人を狙って、少し値段が高めの「並ばすに入場できるガイドツアー参加型チケット」を売るビジネスが流行っているほどです。
効率よくバチカン市国を観光するために美術館で並びたくない人には、優先入場ができるネットの事前予約でチケット購入することをおすすめします。
ローマを一望できるクーポラに登ろう
バチカン市国の象徴的存在のサンピエトロ大聖堂は、人気の展望スポット!イタリア語で「クーポラ」と呼ばれているドームの部分から眺めるローマの風景は、言葉にできないほどの美しさでした。
クーポラには、サンピエトロ広場の左側にあるセキュリティーチェックを受け入場します。クーポラへ登る手段はエレベーターか徒歩のどちらかを選べますが、体力を温存しておくために、エレベーター利用を強くおすすめします。なぜなら、エレベーターを降りてから、更に320段も急な階段を登ることになるからです…。
後ろを歩いていた日本人観光客が「階段のぼれる体力があるうちに来といてよかったわ。お父ちゃん置いてきて正解やなあー!階段しんどいわ…」と話していて、私も「本当にその通りですね…」と納得しながら展望台を目指しました。
狭くて曲がりくねったクーポラの階段を上るのは、まだ足腰に少しは自信のあるアラサーの私でも結構ハードだったので、その日の体調も考えて予定を組み込むことをおすすめします。
そんな疲れも忘れてしまうほど、クーポラから眺めるローマの街は素晴らしいものでした。朝霧でなんとも神秘的な雰囲気が漂っています。
緑のドームも近くでみると、もの凄く巨大でパンフレットやテレビで観る以上の迫力!
バチカン美術館で鳥肌ものの感動
歴代の法王が収集した美術品が展示されていて、500年以上の歴史があるバチカン美術館は広大な敷地を誇り、ひとつずつ時間をかけてじっくり見学したら一日では足りません。
美術館の入り口にはバチカン市国の模型が飾られているのですが、全体像を見てみると本当に小さい国だということが解ります。
バチカン美術館で驚いたのは、飾られている美術品も勿論すごいのですが、とにかく気になったのが天井です。
天井を見上げると、繊細な金のフレームに飾られた眩いほどに華やかな絵画の数々。いったいどれだけの年月がかかったものなのでしょうか。世界には素晴らしい場所が数多くありますが、バチカン美術館は格別です。
特に「地図のギャラリー」という、壁に世界各国の地図が飾られた部屋は迫力満点!16世紀後半に作られたもので、既に、この時代にかなり正確な地図を作っていたことに驚きました。次の画像はイタリアの地図です。
もちろん、地図のギャラリーの天井もすごいのです。恥ずかしながら芸術には疎い私でも、見た瞬間に鳥肌が立ってしまうほど圧倒的な存在感がありました。
一枚ずつ絵を鑑賞したいところですが、まるでディズニーランドのアトラクションの行列かのように、次々と後ろに人が並んでくるので、さーっと足早に通り抜ける感じだったのが残念…。
不思議な形をした階段
バチカン美術館にはとても個性的な階段がありました。ぐるりと渦巻いた螺旋(らせん)階段で、この階段自体がアートのようです。
入り口の階段も個性的な形をしていたのですが、この階段も素敵です。フォトジェニックな写真が撮れるので、出口に向かうときに通る螺旋階段をチェックしてみてください!
バチカンと秘密の通路で繋がっている?
バチカン市国の観光スポット巡りを終えた後、10分ほど歩いて隣の地区にあるサンタンジェロ城を訪れました。名前には「城」とついていますが、建てられた当時は霊廟(れいびょう)で後に要塞(ようさい)となったのですが、サンピエトロ大聖堂と繋がっている通路があると言われていて、想像力をかきたてる謎を秘めた建物です。
オードリーヘップバーンさんが可憐な王女役を演じた、私も大好きな映画「ローマの休日」にも登場した有名な観光スポットです。モノクロ映画で観ていた世界を実際に自分の目で見ると、また違った印象を受けるのも現地に足を運ぶ旅の醍醐味!
ローマの街には映画の舞台となった素晴らしい場所が点在しているので、のんびり街歩きしているだけでも刺激的でした。
今回はイタリアのローマ滞在中に世界最小国のバチカン市国を訪れましたが、長い時間を掛けて築きあげられてきた素晴らしいエリアで旅ができたことは、一生の思い出として心に残ります。