クロアチアの首都「ザグレブ」を観光してきた
クロアチアというと、どんな国のイメージが思い浮かびますか?有名なところだと「国定公園のプリトヴィツェ」や「アドリア海の真珠と呼ばれるドブロブニク」がありますよね。
また、サッカークロアチア代表の赤×白のチェック柄のユニフォームを思い浮かべる人もいると思います。首都はザグレブという街なのですが、周りの友人に聞いてみると「知らない」という人ばかり…、いまいち影が薄い感じがします。
しかし実際に行ってみると、クロアチアカラーの赤×白の色がそこら中に使われていて、とてもおしゃれな街です!
街自体がさほど大きくないので、コンパクトに観光が楽しめる便利な街ですよ!そこで、クロアチアの首都ザグレブの観光スポットを紹介したいと思います。
目次
ザグレブで最も目を引く「聖マルコ教会」
海外旅行だと慣れない地下鉄やバスに乗ったりするのって少し不安ですよね。ですが、ザグレブの観光スポットは徒歩で周れる範囲に集中しているので、移動手段の心配がありません。
歩き疲れた時は、乗りやすい「トラム」と呼ばれる路面電車が街中を走っているので安心です!ゆっくりと街の中を走り停車駅も多いので、現地の土地に不慣れな観光客にもとても便利な乗り物です。
私は観光の中心からは少し離れたところに泊まっていたので、トラムを使って街に向かいました。
トラムのチケットは街中にあるキオスク(スタンド式の売店)で買うことができます。乗りたい時にキオスクが見つからないこともあったので、チケットは何枚かまとめ買いしておくと安心です。
チケットは1枚10クーナ(約160円)で、どこまで乗っても料金は同じです。
ザグレブで最も目を引くのが聖マルコ教会です。クロアチア国旗のカラー赤・白・青のタイルが使われた、おとぎ話に出てきそうな可愛い見た目の教会です。
屋根のデザインは全体のチェック柄が「クロアチア王国の紋章」左が「クロアチア・スラヴォニア・ダルマチア王国の紋章」で右が「ザグレブの紋章」で、この地域の三位一体を表しています。
タイミングが良いと衛兵さんの交代式を見ることもできます。クロアチアの民族衣装に身を包んだ衛兵達が、太鼓のリズムに合わせて行進します。衛兵さんたちはイケメン揃いで見応えがありましたよ。
凛々しい顔で教会の警備をしている衛兵さんですが、写真撮影もOKなようで並んで写真を撮っている観光客の人たちもいましたよ。私は1人だったので恥ずかしくて、遠くから写真を撮らせてもらいました。
聖マルコ広場のすぐ近くには「石の門」と呼ばれるスポットがあります。1700年代にこのあたりで大火事があり、ほとんどの物が燃えてしまったそうです。しかし、残骸の中から「無傷のマリア像」が見つかったそうで、そのマリア像が石の門に祀られています。
明るい街中とは対照的にここは厳かな雰囲気です。小さい場所ですが、たくさんの人がお祈りに訪れていて、人々の信仰の厚さを感じることができました。
ドラツの青果市場でお買い物を満喫
続いてやってきたのがドラツの青果市場です。赤いパラソルがいかにもクロアチアっぽいですよね!青い空にもとても良く映えて思わず写真が撮りたくなる市場です。
ドラツ青果市場は「ザグレブの胃袋」と呼ばれていて、現地の人にも観光客にも人気があります。
市場の品物は量り売りになっていて、こちらが重さを量る天秤と分銅です!分銅の錆び具合が歴史を感じさせますよね。
分銅を見たのは小中学校の理科の授業以来かもしれません。日本では電子秤のほうが人気ですが、今でも活用されているなんて物を大切にする精神がありますよね。
市場では様々な物が売られています。野菜や果物を買ってホテルでつまむのもいいですし、雑貨や民芸品も売っていたのでお土産探しもできます。
花屋さんもたくさんあり花束がとってもオシャレでした。ドラツ市場は早朝~14時頃までお店が出店しているそうです。私は15時頃に行ったのですが、店仕舞いしている所も多かったので、午前中に行くといいでしょう。
高さ100mを超える教会「ザグレブ聖堂」
ドラツ青果市場のすぐ傍には大きな塔が目を引く「聖マリア被昇天大聖堂(別名ザグレブ聖堂)」という教会があります。2つの塔はなんと100mを超える高さがあるそうで、ザグレブのいたるところから見ることができる、街の目印です。
入館料は無料で時間によってはパイプオルガンの演奏もあるそうなので、市場のついでに訪れてみてはいかがでしょうか。
ちなみに大聖堂の向かいには黄金のモニュメントがあります。晴れた空に黄金が映えてとても美しかったです。
同じ敷地内にはとても大きな時計があり、よく見ると時間が止まっています。クロアチアの歴史の一端を感じることができました。
街カフェで有名な「クレムシュニテ」を食べよう
ザグレブに訪れたら必ず食べておきたいのが「クレムシュニテ」です。クレムシュニテとはカスタードクリームをパイ生地で挟んだケーキのようなお菓子です。
中央ヨーロッパでよく食べられるお菓子なのですが、特にクロアチア・ザグレブの物が有名だそうです。ザグレブにはオープンカフェがたくさんあるので、私も爽やかな風が吹く屋外でいただきました。
パイ生地にこれでもかというくらいカスタードクリームが挟んであって、クリーム好きにはたまらない逸品でしたよ♪トロトロのクリームではなく、ババロアのようなぷりっとしたクリームだったので、味だけではなく食感もぜひ楽しんでみてくださいね。
そしてやはりヨーロッパということもあり、街中オシャレに見えますよね。ひと際大きなネクタイが目を引くお店がありました。実はネクタイってクロアチアの発祥なんですよ!ご存知でしたか?
ネクタイの起源には諸説あるそうですが「クロアチアの兵士たちが、家族や恋人から無事の帰還を祈って贈られたスカーフを首に巻いた」ことが始まりだという説が有名です。
今やビジネスには欠かせないネクタイですが、起源はとてもロマンチックなものだったんですね。
ザグレブで世界一のケーブルカーに乗ってみよう
とてもコンパクトな街ザグレブですが「世界一」と冠の付くものがあります。それが「ウスピニャチャと呼ばれるケーブルカー」です。
何が世界で1番なのかというと「世界一短いケーブルカー」なんです!その全長わずか66m、所要時間は30秒。ケーブルカーのすぐ隣には階段もあって、歩いて上まで登れます。
実はこのケーブルカー、ザグレブのお年寄りの為に作られたケーブルカーだそうです。若い人たちにはどうってことのない上り坂ですが、お年を召した人にとっては大変な坂ですからね。
普通に階段があるので歩いて登れる高さなのですが「世界一」と聞くと乗りたくなるのが旅人のサガですよね。
というわけで乗ってみました!ケーブルカーって、ドキドキ感がありますよね。
だんだん登っていって『景色がよく見えるー!』と思ったのも束の間、もう終点です。苦手なかたもアッという間に到着するので安心して乗ってくださいね。
失恋にまつわるグッズがある「失恋博物館」
ザグレブに来たら絶対に訪れたいと思っていた博物館が「Museum of Broken Relationships」です。日本語に訳すと「失恋博物館」となりますね
その名の通り、世界中の人の失恋にまつわる思い出グッズを展示した博物館で、コンセプトが斬新ですごく面白そうだったのでザグレブに来たら絶対に行くと決めていました。
チケット代は30Kn(約480円)で、6月~9月は9:00~22:30、10月~5月は9:00~21:00と、開館時間が季節によって変わるのでお気を付けください。
ミュージアムの看板も、どことなく哀愁漂う看板ですよね。中に入るとたくさんの観光客が1つ1つの展示をじっくり見ていました。
実は失恋にまつわるグッズを置いているだけではなくエピソードも添えられていて、思わず感情移入をしながら読み入ります。
受付で国名を申告すると、その国の言葉で説明が書かれたノートを貸し出してくれるので、英語が苦手な方はぜひ借りましょう。笑える物から悲しくなる物まで様々な展示がありました。
例えばこの真っ赤なドレスのエピソードは…、
当人にとっては笑えないかもしれませんが、こうやって世界中の人々の目に触れることで、悔しい思い出を葬ることができるのかもしれませんね。
このTシャツには、彼の父親の優しさが染み入るエピソードが添えられています。
息子よ、仕事と恋愛において苛立ちや障害はつきものだ。人はそれと向き合わなければならないが、いつか乗り越えられる日が来る。
お前だって必ず運命の人と出会い、いつか一緒になるだろう。タイミングなんて関係ないんだ。彼女だった人と長く付き合っていたとしても、それが運命の人とは限らない。
たった1つの恋が終わっただけに過ぎないじゃないか、自分の気持ちをハッキリさせて前へ進んで行け。この先、お前を待っている人がいるとお父さんは信じているよ。だから、元気だせ。
息子を想う、お父さんの優しさが身に染みますね。
また、部屋の奥には失恋による別れだけではなく、色々なテーマの「別れ」の展示もありました。
どのエピソードもとても興味深く、私は今までに行ったどの博物館よりも説明文をじっくり読んでいました。1つ1つ見ていると、とても時間がかかるので余裕を持って訪れることがオススメです。
夜遅くまで開いているので、スケジュールの最後に博物館へ訪れると、後の時間を気にせず楽しめますよ。
ザグレブは「世界で唯一の物」がたくさんある街
クロアチアの首都にもかかわらず、クロアチアの中ではいまいち存在感の薄いザグレブですが、実際に訪れてみるとコンパクトな街に見所が集約されていて、とても観光のしやすい街だと感じました。
ポップなデザインの「聖マルコ教会」や「失恋博物館」など、世界中を探してもザグレブでしか見られないユニークな観光スポットも目白押しです。
1日あれば十分に周れる規模の街なので、プリトヴィツェ公園やドブロブニク観光の前後に立ち寄ってみてはいかがでしょうか?